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ステレオサウンドの不具合を修正

リチャードバレイ 記 2017,8月20日

 あなたにとってステレオが良いかどうか疑問に思ったことはありませんか?
「華麗なステレオ・フィクサー」 サウンドステイジ・アクティベーター(TakeT-SA)は、音楽を聴く真の方法を発見するために、
ドクター・リチャードバレイを魅力的な航海に送り出します。.

 私が以前テイクティのスーパーツィーターをレビューし、使用した事があったので、テイクティの丈井氏がテイクティの
新しいハイファイ強化製品であるサウンドステージアクティベーター(SA) を試聴しないかと尋ねてきました。
丈井氏はこの小さなデバイスが解決する問題について説明しました。私たちが録音された音楽を聴くに当たって、
あたり前のステレオ再生システムの問題点、それはステレオ音に脳が反応する時の問題点についてです。
Taket-SAは、シンプルで効果的で手頃な価格になるように設計されています。私は基本的な部分でその音が好きに
なりました。では本当にその音が好きかどうか?一つの方法で見つけ出す事にします!

 結果は明快でとても楽しいものです。但し、サウンド アクティベーター(SA) の効果は試聴結果であって、私はそれが
何をしているのか、なぜこれが望ましいのかを説明することができますが、なぜその効果が起こるのかは、
私には謎のものです...。それで、さらに検証を進めます。 それは正面にツマミの付いた小さな黒い箱です。
サイズが69mm X 87mm X 38mm,質量90g のアンバランス専用バージョンと質量が115g のバランス対応バージョン
があり、スピーカーあるいはアンプのスピーカー端子に接続するだけです。問題を理解する事と、この簡単な解決策に対する
好奇心からTakeT-SAを私のSachem v2 モノブロックアンプとPro Avanti DC100フロア型スピーカーのシステムに接続
しました。するとたちまち音場形成にうれしい変化があり、フロントのつまみを回して適正な音を得る事ができました。
何が起こっていたのですか?どうしてこの強化策が必要なのですか?
ここでステレオ録音と再生の癖について、私の探索の旅の話をします。私の直近のオーディオに対する興味の対象は
部分的なクロストークと少しのクロスフィードおよびヘッドホンの周辺です。
つまり低ステレオ療法が食欲と栄養を与える事ができるかどうかです。

ステレオ視聴の問題点

 
ステレオ音楽音像における問題は、ミュージシャンとリスナーのチェーンである録音段階と再生段階、2つのチャンネルへの
複数の入力のミックスダウン時、そしてリスナーに対するスピーカーの配置で発生します。ステレオ再生で当然起こる
この問題に対処するために丈井氏によって一つのステレオ音像を調整する手段が提案されました。
この提案強化アクセサリーを試して即効効果を得ることで、録音された音楽を聴く最高の方法であるステレオの包括的な
疑問を見渡せるインスピレーションが湧きました。誰もが同意する(ステレオが最高の視聴手段である)わけではないことを
知っていたので、さてどうなって行くのだろうか?一部のオーディオファンは、センターが録音された実際の音場の主要部分
であっても、中央のサウンドが薄いと感じています。彼らはステレオ音場はザラついているかモヤがかかっていて、空間のない
肌触りだと気が付いています。そして何人かは、それはステレオサウンドではしかたがないとして諦めています。
一方、いくつかのマルチチャンネルシステムがこの問題を部分的に解決するために採用されていて、それは音場を拡張する
かもしれません。ただしその結果として不透明で平らな音場も拡張されます。
だから、一部のオーディオファンはモノラルオーディオを好みます。

 ステレオは1931年に特許が取得されましたが、1960年代後半ではレコード録音はまだモノラルで出されていました。
私はそれらを私の掘り出し物箱からピックアップする事が多く、私の2チャンネルシステムで良い音で聴く事ができます。
偶然にも、これはアラン・ブルムレインが、ステレオサウンドの再生に関する特許を受けた彼の仕事の一部として、
録音アカデミーから死後グラミー賞を授与されたと書かれています。 彼は、2チャンネルオーディオシステムの元になる
特許出願をしました。

 ステレオ音像はアウトライン、モノ音像は音場表現の中身だと聞いたことがあります。 モノラルファンは、単一チャンネルの
リスニングを好みます。 ”シミュレートされたステレオ”または”強調された”レコーディングは、擬似電子的に処理された
モノフォニック録音(注1;一個のマイクロフォンで録音する事)で位相シフトおよび/またはディレイとリバーブを使用してチャンネル
の音色を異ならせます(例:キャピトルレコードのドュフォニックディスク)。 2チャンネルアンプのモノボタンを押してもモノラル録音と
同じ音像は得られません。 モノラル音像では、声部と楽器が中央に配置されます。 ステレオ音像では、音声と楽器の空間的
な分離があります。

 真のステレオ録音は複数のマイクを使用し、複数の信号が2つのチャンネルにミックスされます。これは、2つのチャンネル間に
展開する複数のモノラル録音と同じではありません。真のモノラル録音では、1つのマイクを使用します。
両方の耳で同じ音として聞いていないからです。 テイクティは、音源の中心が左右のステレオチャンネルに均等に分配
されるべきだと考えました。しかし、左右の音が同じかどうかを脳が判断する時、私たちの音に対する認識に迷いが生じます。
なぜなら、録音時、録音媒体からの読み込み時、またオーディオ信号の位相、スピーカーの配置による再生音などでは、
左右の信号にはマイクロレベルの違いが出るからです。テイクティは、これがライブサウンドとステレオ再生音の間にある残念な
乖離の主な理由だと考えました。そうであれば、我々の脳が左右の両方の音信号が同じ起源のものであることを
認識できれば解決されるかもしせん。
スピーカーに入力する直前に、アンプからの2つのチャンネル信号をマイクロミキシングする事が解決策になります。

 もう1つの問題は、一般的なスピーカーの配置にあります。 聴取者の耳に対するスピーカ位置の幾何学的形状は、
タイミングと位相差を生じ、混乱した又はぼやけたステレオ音像を形成します。 自然なステレオ音では聴けません!
このステレオ音像は自然ではありません。 2チャンネルの音楽再生システムは、2人のミュージシャンが三角の遠い点で聴取者
から同じ距離に位置する状況を直接模倣するだけでです。 つまり、左チャンネルと右チャンネルの2つの大きな音源があります。
重要なことは、それぞれの耳はわずかに異なる音を聞くという事です。 私たちは、さまざまな場所からの音に遅れを感じます。
複数の楽器が演奏される状況では、録音された集合体の音場を再現しようとする試みがあります。または、スタジオで
加工効果とミキシングを使用して人工的な音像が作成されます。

 2チャンネルミキシングでは、意図的で人工的な、ボーカルと楽器の分離がしばしばあるので複雑になります。これは、スピーカー
を使用した”ステレオ”再生の基本的な特徴です。レコーディングスタジオは一般にニアフィールドスピーカを使ってミックスされる
ため、一般的なホームリスニングのセットアップで経験したクロストークの効果はほとんどありません。私が言っているのは、
実際の演奏をもらさず再現する事と、商用製品での再現の区別です。典型的なステレオミックスダウンは何かを減じます。
どういうわけかそれは小ぶりになります。 - 何かが失われました。私は、1980年のEMIアルバムの帯書きに、録音が「ステレオに
縮小された」と書いてある事に気付きました。そして一部のオーディオファンはモノラルアルバムを好むという問題をきちんと
説明しています。左右の区切りで人工的に表現するのではなく、モノラル録音はあなたの目の前で音楽として聴こえるので、
音が深くなり、しばしば音楽が録音された部屋の特性で聴く事ができます。 1950年代と1960年代のコロンビアの録音はこれ
に特筆されます。

 PS AudioのCopper誌で、バイノーラル録音で有名なデイビッドチェスキーのインタビュー記事も読みました。
チェスキー・レコーズは、常にヘッドフォンを念頭に置いて、バイノーラル・レコーディングを開発しています。この録音は、
ダミーヘッドの耳の位置に取り付けられた2つのマイクロフォンで行います。その理由は、2つの別々の耳が、音源をそれらの
音源の相対的な位置に従って、別個に聞いているからです。音源からの音は、両耳で検出され、2つの信号間の時間差が
あります。ミュージカル音源はポイント音源ではありません。音場や音像の概念は、音声と楽器の3次元的分離を認識します。
従って、複数のソースは、同時に聞こえるように共鳴または干渉する複数の信号を送信します。これは、脳がその違いを
識別する上での非常に複雑な問題です。特に、頭蓋がサウンドの一部の成分をブロックする一方、サウンドの一部は頭蓋を
通過するためです。低周波は回折され、中間周波と高周波は反射され、間接的に遠い耳に到達します。
耳とクローズドスピーカー(ヘッドホン)を使用して録音とリスニングを行い、遠くに離れたスピーカーは使用しないため、
一般的なステレオスピーカーのリスニングとはまったく異なる視聴経験を作り出します。重大な音響クロストークは発生しません。

 デイビッドチェスキーのチームは、スピーカーを通したステレオの問題に取り組んでいます。60度で三角形に配置された2つの
スピーカーの前に座ると、両耳間のクロストークが発生するため、すべてのステレオに欠陥があると説明しています。
彼は、それは特別な眼鏡なしで3D映画を見ることに似ているとしています。 自宅でハイファイシステムを聴いている時、
左の耳には右のスピーカーと左のスピーカーが同時に鳴り、右の耳には左右のスピーカーが同時に耳に聞こえます。
この状態は「クロストーク崩壊」であり、脳は音源画像の位置を把握できません。デイビッドチェスキーは、スピーカー間の
クロストークをデジタルサウンドプロセッサーで打ち消し、ほぼ360度の音場を作り出す技術について話を進めました。
最適なクロストークキャンセレーションフィルタリングに関するプリンストン大学とチェスキーの研究成果は、スピーカーペアで使用
する製品になります。 それは高価なものになるしょう!

 これは私にクロストーク、クロスフィードの詳細に導いてくれました。。 クロストークは、あるチャンネルから別のチャンネルへの
望ましくない信号の干渉であり、従来のスピーカーの設定では自然に発生しますが、スピーカーに生じる現象の一部です。
これは「アコースティック・クロストーク」です。 私をはじめとする一部のリスナー、および一部のオーディオエンジニアは、
クロストークが音質を低下させると考えています(Ambiophonicsのウェブサイトを参照)。
カーバーズホログラム、グラスガルのクロストーク低減器、レキシコンのパノラマは、音響クロストークを低減するように設計されて
います。 クロストークとは異なり、クロスフィードは、意図的に誘導され、慎重に制御されたクロストークの電気的方式です。
クロスフィードはヘッドホンでの視聴にクロストークを追加するステレオアンプの機能です。 録音とミキシングの段階では2つの
ステレオチャンネルは別々ですが、それをスピーカーで再生すると、各耳には両方のスピーカー出力が聞こえます。
ヘッドフォンではそうなりません。 ヘッドフォンのリスニングで、2つの別々のチャンネルをミックスして、ヘッドホンユニット間の
中央に音場の音像を作成すると奇妙な結果になります。

 ヘッドホンの視聴は異なっている

 ヘッドホンでは、左の耳には左のユニットの音だけが聞こえ、右の耳には右のユニットの音だけが聞こえるため、音響的な
クロストークはありません。例えばヘッドホンアンプのヘッドルーム( HeadRoom )は、クロストークを発生させるクロスフィード
回路を備えています。クロスフィードの効果が好きな人もいるでしょう。なぜなら、それはしばしば音楽の音をより一貫して
生き生きとさせるからです。ライブミュージシャンの演奏に耳を傾けると、ヘッドフォンがするように、孤立したチャンネルを1つの
耳に、もう1つの独立したチャンネルをもう一方のチャンネルに送ることは不可能です。しかし、特定のタイプの音楽は、
クロスフィードを必要とせず、クロスフィールドがあると、音楽の音をより遠くにし、インパクトが減少し、詳細さも減少します。
1970年代には、英国のハイファイ雑誌(私はどの雑誌か思い出すことができません)がヘッドホニイと呼ばれるサーキットの
DIYプロジェクトを発表しました。これは、ヘッドフォンでステレオ録音を聞いているときに、音楽が頭の中から出てくるような
不自然さを打ち消しました。周波数に応じて何らかの位相差を導入し、それらをチャネル間で混合することでこれを
実現しました。私は1つを組み立てて、それを持っているので、その効果は、音場の表現を広げ、それを頭の外にしっかりと
移動させ。頭の周囲に広がるのを確認できます。

音場の活性化

 テイクティサウンドステージアクティベーター(SA)は、マイクロクロスフィードを追加することによってクロストーク損傷に
いくらかの対策になっているのでしょうか? 私はそれをスピーカーユーザーのクロスフィードデバイス版と考えています。
クロストークが加わる代わりに、逆に減らすか部分的に削除するだけです。 テイクティサウンドステージアクティベーターは、
アンプの2つの出力チャンネルをミックスして、別々のチャンネルがモノラルに近づくようにシフトします。明らかにオーディオ
視聴に喜びをもたらします。テイクティ サウンドステージアクティベーターは、アンプの出力にSA効果を加えると共に、
さらにテイクティ自身が多くの音質強化製品を開発してきた別のエンジニアリング原理を使用して、スピーカーの視聴や
すべての音楽ソースに対してクロストークの影響を打ち消します。 サウンドステージアクティベーターは、以前の製品の
経験をもとに、実験を通して得られた、受動的な遅延無し可変型マイクロクロスフィーダです。
 
 調整可能なマイクロミキシングは、各チャンネル信号からの小さな(百万分の1、したがって「マイクロ」)信号を
他のチャンネルにブレンドします。極端な場合、疑似モノ効果が生成されます。このような少量の信号の混合は、
スピーカの「ぶれ」問題をある程度克服するのに有効です。 テイクティ サウンドステージアクティベーターは、「2音源」の
人為的な影響を軽減して、音質を向上させるように設計されています。これは、主張され、強化し、深みのある低音、
中域の3次元の立体感を高め、甘い高音域を作り、人の頭脳で考案された2つの別個のチャンネルポイント源をより良く
理解でき、より自然な音を全体的に作り出します。 テイクティは高分子圧電式スーパーツィーターのメーカーとして
知られており、それらの製品と同様に、この装置はアンプの出力に接続するだけで、個人の好みに合わせて調整できます。
任意の設定での効果は、2つのチャンネルの楽器がどのように配置されてミックスしているかに応じて、録音ごとに異なる
ため、デバイス設定を調整すると別のオーディオイメージが生成されます。
JRiver Media Centerのデジタル信号処理オプションなど、同様な効果を出すさまざまなソフトウェアツールが開発されて
いますが、これらはデジタルフィルターにだけ適用されるものです。
一方テイクティサウンドステージアクティベーターは、アンプからの出力すべてに対応します。

オーディション(試聴

 私のシステムに接続した時にどうなったでしょうか?最初にコントロールノブをオフ位置から切り換え、
1(ステレオ= L、R)から12(「モノ」= L + R、R + L)のスケール上の推奨位置3に回転すると、微妙ではあるけれど顕著な
効果がありました。そして、長時間のリスニングでは、私ははっきりと識別された楽器と声でステレオの音像を聴きました。
そしてもっと多くの事がありました。それが何んであったとしても、すぐに私が聴いているものが好きになりました。
はい、確かに、音像は多少開かれ、音楽には「息吹」が追加されました。 私はそれを「ステレオ修正器」と呼びますが、
質量と、細かいダイナミックな解像度が追加され再生音をより魅力的にします。トーンコントロールやイコライザーのように、
トーンカラーリングではなく、私がTaket-Batpureのスーパーツィーターを経験した時と同じように、、
音楽が理にかなっているように感じます。音は音楽的な経験のちょっとした意味を持ちます。これは、本物の楽器や
人間の声として聴こえ、ステレオ録音の音には似ていないということです。存在感が増し、音場の表現がよりオープンで
一貫しています。確かに、音場は「活性化」されています。
 
私はサウンドステージアクティベーターの効果が、スタジオで作成され複雑なステレオ音場の表現とシンプルなナチュラルライブ
レコーディングの間で異なるのかどうか疑問に思っていました。最初の比較のための候補としてすぐに心に浮かんだ.モビの
アルバムとカーボイジャンキーの称賛されたトリニティセッションです。私は、前者はぼんやりとしたものであり、後者はとても
自然であり、存在感があると結論づけました。次に、遠く離れた2つのマイクで録音したライブコンサートの録音と、スタジオ
で制作したサウンドデザインのアルバム、スティーブン・ウイルソン・ハンドのキャント・イレーズを比較しました。彼の以前の
アルバム ザ・カラスはフランク・ブラック&ザカソリックスのガンマンのようにスタジオでライブ録音されました。このライブ感は
はっきりと分かりやすく、とても楽しいものでした。私はまた、デイビッド・エリアスの生演奏の1〜2つのマイク録音をDSD形式で
聞きました。私の比較した「設計された」ライブ録音はシン・リジの生命と危険およびピーター・フランプトンのカムズアライブ
でした!私は、「本物の」パフォーマンスが「製作品」と比べてとても新鮮だと言っても言い過ぎではありません。
「自然な」イメージはより清潔でダイナミックであり、リスニング体験をより魅力的なものにします。

 この装置と効果を私の意識に持ち込み、テイクティサウンドステージアクティベーター(SA)のサンプルを提供し、
私の質問に辛抱強く答えてくれ、友好的な協力をしてくれた丈井氏に感謝します。要約すると、
サウンドステージアクティベーターの起動は即効果的です。ユニットは邪魔にならず、簡単に取り付けられ、高価な配線や
特別な配線を必要としません。それはまた非常に手頃な価格のリスニングアップグレードです。それが好ましくないところが
何かあるだろうかと、私は数ヶ月間このデバイスを接続していましたが、今は私のリスニングの喜びの永続的な強化になって
います。強くお勧めします。 

* このレビューの公開時点でのバランス対応モデルは19,800円でアンバランス専用モデルは24,800円です。

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